ピルを飲んでいても脱毛はできる？女性ホルモンと体毛の関係を理解しよう

ピルとムダ毛の深い関係

月経不順の改善やPMSの軽減など女性ならではの悩みに働きかける低用量ピル。

一部のエステサロンや脱毛サロン、クリニックの中には、ピルを服用している場合、施術ができないケースがあります。
しかし、毎日服用しないと効果が出ないピルは、簡単に服用を中止できないですよね。なぜ断られるのか、どんな関係性があるのか正しく理解してサロンを選びに役立ててください。

低用量ピルとは

経口避妊薬とも呼ばれる低用量ピル。
医師の処方のもと、毎日1回服用することで、排卵を抑制し、妊娠に繋がらないように体が働きます。

女性ホルモンと同等な成分が含まれており、服用することで血中のホルモンが増加します。避妊だけではなく、生理痛の緩和やニキビ、生理の事を気にせず予定が組めるなど嬉しい効果をもたらしてくれるため服用している方も多いのではないでしょうか。

低用量ピルの服用例

• 避妊
• 肌荒れの緩和
• 月経（生理）不順の改善
• 月経困難症、月経前症候群（PMS）の軽減
• 婦人科系疾患の治療　　など

成分の配合量が高ければ高いほど効果が出ますが、副作用も大きく表れることがあります。毎日服用する薬ですので、最近では低用量ピルという、成分の配合量を抑えたものが主流になっています。

女性ホルモンと体毛の関係

女性ホルモンのひとつエストロゲンは毛の発達や成長に働きかけます。もうひとつのプロゲステロンは毛の寿命を延ばす働きをします。
抜け毛や薄毛を抑制する効果があり、男性と比べたとき女性の方が薄毛や抜け毛で悩む人が少ないのは、女性ホルモンが要因です。

ピルは脱毛にどんな影響を与えるのか

「ピルを飲むと毛が薄くなる」
「ピルを飲むとムダ毛の成長が促進される」
全く異なる噂がありますが、これはどちらも間違いです。

低用量ピルが女性ホルモンに働きかけるのは事実ですが、ピルを飲む目的は身体を正常に保つためのもの。
つまり、ホルモンバランスを一定に整えることが目的なので、服用したことで育毛や増毛を促す効果は無く、低用量ピルの成分量程度では、脱毛には特に問題が無いと言われています。
発毛のサイクル（毛周期）にも影響を与えないため、通常通り予約を取れるサロンが多いようです。

しかし、中容量以上のピルを服薬する場合は、身体に影響を与えることがあるため注意をしてください。
低用量ピルでも心配な時は通っている病院へ相談して決めるのが一番です。

なかには脱毛を断られる場合も

脱毛サロンの中には、ピルを飲んでいる場合、診断書をもらわなければいけないことがあります。中には脱毛を断られる場合もあるようです。

断られる理由　ホルモンバランスの影響で毛量が変化する

ピルを飲むとホルモンに影響を受け、毛量が変化する恐れがあります。
そうすると脱毛効果が分かりにくくなります。満足できる結果を得るために、脱毛を断られる場合があるようです。

断られる理由　色素沈着の防止

ピルの副作用として表れやすいもの。
ピルの服用中は、ホルモンバランスの変化の影響を受け、物理的な刺激やレーザー治療・レーザー脱毛を受けることでシミができやすくなることがあります。

断られる理由　光線過敏症の防止

花粉症の薬など、日常的に薬を飲んでいる時、脱毛を断られた経験はありませんか？
薬の中には、光を敏感に感じ取ってしまう成分が入っていることがあります。低用量ピルであれば問題ないといわれていますが、中容量以上のものになると照射された光が原因で肌に赤みや蕁麻疹などの症状が出てしまう光過敏症を引き起こすことがあるので注意が必要です。

断られる理由　肌が不安定な状態になる事がある

ピルを飲み始めたばかりの時、ホルモンバランスの変化により肌がいつもより敏感になるときがあります。

敏感になっている肌へ、光脱毛を行うと、ダメージが増長する可能性があります。薬に限りませんが、肌が敏感な時は脱毛の施術を受けるのは避けたほうが良さそうです。

脱毛時のよくある禁忌事項

脱毛を行う際には、肌トラブルを防ぐためにいくつか禁忌事項があります。

• 予防接種
• 日焼け
• 入浴
• 薬の服用
• 飲酒

予防接種

予防接種後、一週間は体の中で免疫を作っている期間です。この時期は体調を崩しやすく、施術中や施術後にトラブルが起きやすいと言われています。脱毛の施術をすることで、注射の後が赤く腫れたり痒くなったりしてしまう肌トラブルが現れることもあります。インフルエンザなどの予防接種を受けたときは、サロンの施術前後1週間～10日は必ず空けてください。

日焼け

日焼けしている肌は、やけどを負っているのと同様の状態になっています。
そんな状態で施術にてさらにダメージを与えると、普段は感じない痛みを強く感じたり肌トラブルが起きる可能性があります。

また、光脱毛は黒い色に反応する仕組みが多いため、肌が焼けて黒くなることで効果を感じにくくなることも。

入浴

アルコールと同じく、血行が良くなる行為はNGです。入浴やサウナ、岩盤浴、エステ、マッサージなどにも当てはまります。

薬の服用

風邪薬や花粉症などの薬を飲んでいると脱毛はできません。

• 抗不安薬
• 抗生物質
• 経口抗真菌薬
• 糖尿病治療薬
• 解熱消炎鎮痛薬
• 抗アレルギー薬
• ステロイド

などが代表的ですが、明記したのはごく一部です。
肌荒れや色素沈着、光線過敏症などがあるため、薬を服用、塗り薬を使用した場合は、どんな種類でも脱毛サロンの予約前に店舗へ確認してみましょう。

飲酒

アルコールを摂取すると、全身の血行が良くなり、体温が上昇します。
施術箇所の血行が良くなると、赤みやかゆみ、刺激ににより湿疹などが出る恐れがあるため、脱毛前後12時間は飲酒を控えるべきと言われています。

医療機関と提携しているサロンへ

低用量ピルを服用している場合、特に脱毛に与える影響はないと言われています。しかし、飲んでいない時よりもリスクは確実に高まりますし、全くゼロとは言い切れないことから個人サロンでは断られることもあるようです。大手サロンは医療機関と提携を結んでいることも多く、安心して施術を受けることが出来るサロンが多くあります。

女性の身体に大きくかかわるピルの服用。不安な時は、自分で判断はせず、処方してもらっているお医者さんやサロンのスタッフの人にカウンセリングの際に遠慮なく相談してみましょう。